胸焼けしそうなぐらいの、てんこ盛りのEメール。
企業のメールマーケティングのコンサルティングをしていて、ときどき思うのは、メールに過負荷をかけているケースが少なくないことだ。
先日おこなったアセスメント(評価)も、まさにその典型的な例のひとつだった。企業からの依頼内容は、最近どうもリスポンス(反応)率が落ちてきたので、アセスメントをおこない、改善策を提案してほしい、というもの。その企業は、顧客に向け定期ニュースレター型のメール配信を実践している。
検証をおこなう場合はいくつかのチェックポイントがあるけれど、まずはリスポンスが良かったときのコンテンツと、現在のコンテンツに目を通してみた。
コンテンツを比較してみて、原因は一目瞭然。
好リスポンスだったころのコンテンツは、特定の商品についていくつかの異なるアングルで展開している。もともとリレーション(関係)の起点がその商品なので、道理でもある。それは使い方の応用だったり、開発秘話だったり。
同じ商品なのに、読む側を飽きさせない。いい構成に仕上がっている。
一方の、リスポンスが低下したという現在のコンテンツはどうか。
以前のコンテンツの中心にあった商品にとどまらず、まったく異なるカテゴリーの同社商品も多く紹介されている。まさにてんこ盛り状態だ。
なぜそんな作りに変更したのか。
それは担当者に理由を聞いて、妙に納得した。経緯はこうだ。
メールマーケティングを実践してみて、メールがウェブサイトへの誘引にも大きく貢献していることが数値で見えてきた。
やがてこれが上層部の知るところとなるのだが、不幸はここから始まる。
「それほど効果的なのであれば、他の商品も紹介して、相乗効果を狙おう」。
上司という生き物は往々にしてこのような判断をするものだ。
担当者は抗ったものの、聞き入れてもらえない。
仕方なく、てんこ盛りメールに切り替えた。ごく自然にリスポンスが落ちた。
以前のコンテンツでは、企業と消費者の間で、かなり深度のあるリレーション(関係)が形成されつつあった。だからこそ高いリスポンスがあった。
ところが刷新しててんこ盛りメールになった途端、せっかく少しずつ形成されつつあった信頼関係も一気に瓦解してしまった。
クロスセルがいけない、ということを言っているのではない。
うまくいけば最大限の効果を得られるが、タイミングとアプローチを間違うと逆効果になる。
胸焼けしそうなぐらいの、てんこ盛りのコンテンツなんて誰も読みたくない。
メールマーケティングだって盛り付けが大切だ。
