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もう「パシリメール」は通用しない



インターネットマーケティングの黎明期は「Web マーケティング」が主役で、 メールはせいぜいそれを引き立てる脇役、といった構図が幅を利かせていた。 Web サイトのコンテンツを追加したり更新するごとに、 「ホームページを更新しました! 今すぐクリック!」のようなメールがネット上を駆け抜け、 Web サイト誘導のための「使い走りメール」という役回りを演じていた。 言ってしまえば「パシリメール」だ。 もっとも当時は発信者も受信者もネットの発展途上だったので、 パシリメールでも相当な反応があった。 今から思えば、のどかで平和な時代だった。


やがてユーザーの受信するメール数が増えるにつれ、 一通一通のメールの価値が相対的に低下していく。 そしてひとたび「読む価値なし」と読者にレッテルを貼られたメールは、 ほんの1、2秒で闇に葬られてしまう。 そうしてパシリメールではかつてのような効果が期待できない時代に突入した。


メールマーケティングを実践するとき、 発信者からすると「読者はすべて配信するメールを読んでいるに違いない」と思い込みがちだ。 そう期待してしまう理由もわからないではない。 読者は自ら手を挙げ(もしくは承諾して)「定期配信を希望」する、 という手続き(オプトイン)をしているのだから。


ところが実際には、 「読まれないメール」が増殖中だ。 増加する一方の受信メールを限られた時間で処理するわけだから、 「読まれないメール」が発生するのはある意味では当然である。 その「読まれないメール群」の先頭集団にいるのが、パシリメールということになる。


パシリメールでの効果が期待できるのは、 広い意味で報道的な要素を含み、かつ、 本質的には関係性(リレーションシップ)の構築が成立しにくい場合、 もしくは既に読者(顧客)の強固なエンゲージを得ている場合のいずれかと言える。


こう書くときっとこんな反論が(必ず)ある。 「ウチのメールはどうやら『パシリメール』ということになるが、 十分なリスポンスがある」と。 それは読者が特定のキーワードに反応したまでだ。 本質は新聞の折込チラシと変わらない。


メールマーケティングは、 関係性を高めていくことでマーケティング力を最大限に発揮する。 せっかく消費者とメールでコミュニケートできるのであれば、 「パシリメール」よりもさらに一歩踏み込んだリレーションシップの組み立てを考えたい。 (執筆:鶴本浩司 メールマーケティング専門コンサルタント)



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