そのメールは「読まれている」のか?
果たしてそのメールは「読まれている」のか「読まれていない」のか。メールを活用したマーケティングにおいて、これは本質的な命題である。
よく、読みやすくするためのレイアウト技法や、どのような内容がいいのかといったコンテンツ論や作文技法、反応が鈍い読者を「敗者復活」させる裏技などといった技法論は百家争鳴で、尽きることはない。もちろんこれらはいずれも重要なのだけれど、肝心の顧客(読者)に読まれていないのでは何の意味もない。
さて、メールを活用した企業の顧客向けマーケティングコミュニケーションの方法で最も多いのは、一斉同報配信型のメールマガジン(メルマガ)であるが、それでは顧客(読者)はメルマガとどのように接しているのだろうか。そのあたりの最近のトレンドを調査した結果があるので目を通してみたい。
宣伝会議が刊行する月刊マーケティング誌、『販促会議』誌では、「メールマガジン購読状況の全容」と題したアンケート調査結果を、 2005年4月号の特集『生活者に選ばれるメールマガジンの法則』の中で掲載している。
調査結果によると、受信しているメルマガ数は「20件以上」が30.3%で最多、次いで「10~29件」が25.9%であった。つまりインターネット利用者の半数以上の人は10件以上のメルマガを受信しているということだ。
一方、受信しているメルマガのうち、本当に読んでいるのは何件かを尋ねたところ、「『ちゃんと読んでいる』と意識している」のは「3~5件」が35%で最多。次いで6~9件は22.2%であった。
同じ調査レポートからもうひとつ挙げてみたい。いったんは自分の意思で登録したにも関わらず、読まなくなってしまったメルマガについて訊ねたところ、「読まなくなったメルマガはない」という回答はわずか2.5%であった。ということは、 97.5%、つまりほぼ全員が、受信していながら「読まなくなったメルマガがある」ということである。
このことは予想に難くないとは言え、きちんと数字にしてみると、発行者の「きっと読まれているに違いない」といった希望的観測はあまり根拠をもたないことがわかる。もとよりパーミションは、配信を受け取るという行為を承諾しただけに過ぎず、決して読むことを担保したものではない。
インターネット利用者のメール受信数は増加し続け、一通あたりの接点は相対的に低下しやすくなっている。しかしメールの効果もそれに比例して薄くなるというわけではない。むしろ受信者のメール選別力が洗練されてきていることを認識すべきである。だからこそ、今まで以上に、メールを軸とした受信者の受信者と発信者の関係性の構築が重要になってくることを意識したい。(執筆:鶴本浩司 メールマーケティング専門コンサルタント)
