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実践編|時間軸の考え方

Eメールマーケティングの特性は、パーソナライズ、つまり個別化が可能なことです。言い換えれば一人ひとりに合ったメッセージを作り出すことができるわけです。

ただ、最適な個別化に到達するには、属性や嗜好、興味のあるジャンルなど、それなりの個人の情報が必要です。しかし企業と個人の間にマインド上のリレーションが形成されていなければ、プライバシーに関わるかも知れない個人情報をそう容易に開示しなくなってきているのも事実です。

そこで個別対応の構成分子である「時間軸」というものを手法に取り入れることで、わずかな情報で個別化の機軸をたてることも可能です。そして、それによって消費者が「価値がある」と認めた場合はさらに高度なリレーションへの道も開けてきます。

時間軸を中心に考えた場合、大きくわけると、次の通りになります。


  1. カウントダウン型

  2. 電子チラシ型

  3. 記念日型

  4. ロールプレイング型

  5. Eラーニング型カウントアップ型

いずれも時間軸を中心としたものです。それぞれを詳しく見ていきましょう。


カウントダウン型

これは、イベントが発生する日をXデーとして、カウントダウンしながらEメールでコミュニケートしていく方法です。考え方としては、そのXデーが最大イベントであるものの、それに到達するまでのコミュニケーションが重要ということになります。そのXデーだけに意味があるものもありますが、むしろそのXデーに向けた過程にビジネスチャンスが含まれていることが少なくありません。例えば結婚式。そのXデーに向けて必要なイベントが数多くあります。そこにEメールでのリレーションは大きな意味があります。


他にもカウントダウン型で展開できる例は少なくありません。例えば、引越もそうですし、それに旅行なども当てはまります。旅行はその期間中が主目的なので、起点となる出発日はXデイであるものの、その日までにあらゆる準備をおこなわなければならないという点ではカウントダウンです。


電子チラシ型

おそらく現在Eメールマーケティングを実践している多くは、このパターンではないでしょうか。電子チラシ型はいい点は、企業の都合で配信できること、そして新製品をいち早く伝達するなどの速報性にも応用できることです。また、期日までにさばかないといけない商品を販売する、ラストミニッツの駆け込みチャネルとして活用することもできます。先の航空券などの場合もそうです。
また、特売や期間限定といったセールにも用いられています。さらに、「暦の上での記念日」をターゲットに設定したセールスも可能です(ここで「暦の上での記念日」としたのは、後述する個人の記念日と区別するためです)。具体的には父の日や母の日、バレンタインデーなどがあります。


ただしここで理解しておかなければならないのは、あくまでも企業の一方的な都合によるもので、Eメールを受け取るユーザーの都合ではない点です。その結果、なにが起こるかと言えば、当然ではありますが、複数の企業が同じアプローチをおこなっている。母の日が近くなるとフラワーショップばかりでなく、百貨店やギフトショップのアプローチが増え、メールボックスの中は大乱闘状態になります。送信している側は自分だけと思い込み、クリック率がどうのという話になりがちですが、読者のメールボックスの中はそのような競合他社があることも理解しておかなければなりません。元旦には「あけましておめでとうございます」メール、誕生日には「お誕生日おめでとうございます」メールという企業からのEメールで受信トレイは溢れ返ります。このような場合は、マインド上のリレーションが形成されている場合を除き、読まれにくいのも事実です。


記念日型

私たちにはどれだけ記念日があるのでしょうか。結婚している夫婦を想定してみましょう。本人の誕生日、配偶者の誕生日、結婚記念日。これでまず三つです。次に両家の両親が健在だとして、それぞれの誕生日を合わせると4つで、ここまでで合計7つ。それに父の日、母の日、クリスマス、バレンタインを加えると11。さらにそれぞれの兄弟姉妹、甥や姪、祖父母の誕生日があり、さらに親しい友人の誕生日が待ち受けているわけですから、天文学的な数字(ちょっとオーバーですけれど)になります。


これらの記念日は、母の日やクリスマスなどの、暦の上での記念日を除けば、その個人にとっての唯一の組み合わせということになります。ギフトなどのグッズを販売する直販型のサイトもこのあたりに目をつけて展開していますが、残念ながら失敗している例が少なくありません。その理由は簡単です。リレーションが成立していないのに、個人情報のなかでもランキングの高い誕生日を聞き、しかも本人だけではなく家族や友人などのものまで訊ねています。
逆を言えば、ひとたびリレーションが形成されれば、つまり強い信頼関係を構築することができれば、これだけのビジネスチャンスを築くことも可能です。


ロールプレイング型

ロールプレイング型は、ある時点を起点としてそこからイベントが発生するタイプです。Eメールを媒介して擬似的にコミュニケートするなどの手法があります。テグレット技術開発の『美穂の旅』がもっとも有名です。


ロールプレイング型の特徴は、ポイントはユーザー本人が強く感情移入をできる点です。『美穂の旅』の場合は自分の「分身」に対して感情移入が発生します。これはかなり綿密な設計を必要とする部分でも、他の時間分類とは一線を画します。言い換えれば、エモーション(感情)がそこに付加されるわけですから、リレーションが完成すれば、他のどれよりも強固なものとなります。


Eラーニング型

Eラーニングというと、なにやら「学習」というコトバがちらついて敬遠しがちですが、じつはエンターテインメントに応用することも可能で、ロイヤルティマーケティングにはかなり有効な手法ということができます。


Eラーニング型は、やはりある時点(登録日など)を起点とし、そこからゴールに向かって進むタイプです。ある意味では、ロールプレイング型とカウントダウン型が融合したタイプということもできます。ある時点を起点とする部分はロールプレイング型に似ていますし、ゴールを設定するという意味ではカウントダウン型に類似します。ただこの二つと異なるのは、目標があること、それにゴール日を可変的にできることです。どのような場面で使うことができるかをみてみましょう。
例えば製薬会社が「アロマテラピー雑学講座」という3回コースのEメール講座をもったとします。登録日を起点とし、1回目のテキスト(といっても、雑学的なコラム)を盛り込んだメールを配信します。そしてメールの文末でウェブサイトへ誘導し、「第1回チェックテスト」をおこなう。もちろんその文章を理解したかを確認するのが目的ですから、設問はEメール本文に書かれている文章をもちいて、四択のクイズ形式で楽しませることを忘れてはいけません。


 さて、ウェブサイトで第1回チェックテストを修了している場合にのみ、翌日、第2回目のEメールを送信します。このようにして、一番早ければ3日間で修了することが可能ですが、そのユーザーが忙しかったり、週末しかできないということであれば、何週間かも知れません。


これにはシークエンスという連続配信のしくみを必要としますが、そのようなサービスを得意とするEメールマーケティング会社もあります。このことは本サイト「会社比較」の章で紹介しています。


カウントアップ型

カウントダウン型がXデーに向かっていくのに対し、カウントアップ型はXデーから数えてイベントが発生します。ロールプレイング型やEラーニング型と似ていますが、異なるのは、イベントが発生するXデイが起点となること、それに時間軸を絶対的なものにしていることです。


例えばクルマのオイル交換をおこない、一定期間が経過したところで、「前回のオイル交換から×ヶ月が経ちました。当店で無料チェックをさせていただきますので、次の給油の際にお申し付けください」といったものです。
ほかにも応用をきかせることができます。また、イベントは必ずしも物販の必要はありません。例えば料理学校の資料請求があった後、配達されただろう2、3日後に「資料は届きましたでしょうか」といった確認メールを送り、さらに1週間後、申込を促すメールを送信してもいいでしょう。
 いずれにしても見込客を顧客させるためのオーソドックスな方法といえます。

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