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実践編|費用対効果の考え方

Eメールマーケティングがもつ優位性のひとつに、効果測定のスピードが挙げられます。配信直後から、文字通り刻々と結果をみることができるのです。とは言え、どのような指標を用いたらいいのか、そして何を捕捉してどのように評価したらいいのでしょうか。
この項では効果測定に用いる指標や考え方をみていきましょう。

Eメールマーケティングの効果測定で基礎となる指標は次の5つです。


  1. 開封率

  2. クリック率

  3. コンバージョン(顧客転換)率

  4. 不達(バウンス)率

  5. オプトアウト率


この中でも、上部3つがとくに重要となります。


まず開封率ですが、テキストでのメールの場合は現実的には捕捉できません。しかし、HTMLメールであれば開封率の捕捉が可能です。HTMLメールでの開封率は、開封した人数を配信数で割って算出します。例えば1万人にHTMLメールを配信して、4000人が開封したとすれば、開封率は40パーセントということになります。他にも何曜日に多く開封されたか、何時頃が開封のピークだったか、といった副次的な測定もできます。


次はクリック率です。配信したメールに、テキストメールであれば「詳しくはこちらへ」といった説明文の下にURLを配し、HTMLメールならクリッカブルテキストやボタンを埋め込んでおき、どの情報に対して反応したかを測定することができます。


そしてコンバージョン(顧客転換)率ですが、先の2つとはちょっと異なります。というのも、何をもってコンバージョン(転換)とみなすかをあらかじめ定義しておく必要があるためです。資料請求をゴールとするのか、それとも購買なのか。どのレベルのコミュニケートを目的としたメールなのかを明確にしておかなければなりません。


もし資料請求であれば、請求者数を配信数で割ることで算出できます。また、テキストメールとHTMLメールとの比較や、それぞれの前述の曜日や時間といった軸でクロス解析すればより立体的な測定ができるでしょう。


そのほか、不達(バウンス)で戻ってきたメールの率を算出することで、いまある配信リストの精度が見えてきますし、前月のデータと比較したりすれば、経年による変化を読み取ることもできます。


また、メール配信直後にオプトアウトした人数が、前月や平均と比較して突出しているとすれば、配信したメールの内容やクオリティに問題がなかったか、再点検すべきシグナルということができます。


ここまでは実施したアクションに対する効果の測定を述べました。これにコストという概念を組み込むと、費用対効果を算出できるわけです。

ところでEメールは、インターネット広告の中でも人気沸騰中です。このことは後で述べるとして、費用対効果を考えるうえで、インターネット広告で用いられる尺度を当てはめると比較しやすくなります。どのような単位があるのかをみていきましょう。大きく分けると、次の3点です。


  1. CPM(1000回あたりの露出コスト)

  2. CPC(単位クリックあたりのコスト)

  3. CPA(顧客獲得コスト)

まず、もっとも多く使われているのがCPMです。「Cost Per Mil」の略で、1000回露出(表示)あたりの単価です。Eメールらしく言えば「1000通あたり」ということになります。Milはもともと「1000」を意味するラテン語milleで、その派生語としてミリメートルとかミリリットルなどでも使われますし、最近では日本語でもメレニアム(千年紀)で沸きました。いずれも語源は同じです。例えば「CPM2000円」と言えば、1000通あたり2000円で、1通あたりの料金が2円ということになります。おもにメディアバイ(媒体買付)の単位として用いられます。


次のCPCは「Cost Per Click」で、単位クリックあたりの単価。つまりひとりのユーザーがメール本文に埋め込まれた広告URLをクリックするコストということになります。 20万円かけてコンテンツメールなどに広告出稿し、100人がクリックしたとすれば、CPC2000円ということになります。


最後のCPAは「Cost Per Acquisition」の略で、日本語では顧客獲得単価と呼ばれています。ひとりのユーザーが登録するのに要したコストで、同じように20万円かけて広告出稿し、50人がEメール会員として登録(企業側からみれば獲得)したとすれば、CPA4000円となります。ちなみにCPAと似た指標でCPR(Cost Per Response)というのもあります。


CPCとCPAの2つは、実績課金モデル(Cost-Per-Action Pricing Model)と呼ばれる、成果に応じて課金するモデルにパッケージ加工され、「保証型」として取り扱われています。


どういうことかと言えば、インターネット広告会社はユーザーのクリック数または顧客獲得数を保証し、契約の数に達するまでEメール媒体での露出を続けます。その代わりに多くの露出を要しますので、相応の金額設定がなされています。先の単位もそのまま用いられ、例えば「CPC150円」と言えば、1クリックあたり150円のクリック保証型、また「CPA1000円」と言えば、Eメール会員の登録あたり1000円の「顧客獲得保証型」ということになります。とくに最近は顧客獲得保証型が脚光を浴びています。


さて、それではEメールマーケティングにおいて測定した結果をどのように評価すればいいのでしょうか。ここまで読み進めると、たぶん(ほぼ確実に)次のような質問があるでしょう。「それはわかったから、成功と言える数値はいくつなのか」と。


クリック率が10パーセントを超えたとか、登録率が5パーセントに達した、などなど。確かにそのような目安があればそれに越したことはありません。しかしながら同じクリック率にしても、これはとにかくケースバイケースというのが正解なのです。理由は簡単で、すべて比較するための設定や環境がすべて異なるので、絶対的な評価がしにくいためです。インセンティブひとつをとっても、


  • 「ソニーのバイオが500名に当たります」(まだ見たことがない)

  • というプロモーションと、


  • 「テレカが5名に当たります」(まだときどき見かける)

というプロモーションでは、結果を言うまでもありません。


その代わり、しかしゴールを明確にすることでマーケティングの費用対効果(Marketing Return On Investment=MROI)を相対的に数値化することはできます。MROIをクリック率や資料請求などのアクション率、他の媒体での結果などと比べることで、いままで曖昧模糊としていたマーケティングの効果を測定することが可能になるわけです。

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